MATHEMATICS INTERVIEW

数学指導の常識を覆す

じゅさ先生の「超・高速定着」メソッド

Q
インタビュアー じゅさ先生、改めてよろしくお願いします。
前回のインタビューでは、記憶術によって脳のOSを入れ替えるお話に衝撃を受けました。今回は、多くの生徒さんが苦手とする「数学」についてです。

先生の指導方針には「数学・算数の高速定着」「問題を見た瞬間に解法が浮かぶ」という言葉があります。
一般的な塾や学校では「じっくり考えなさい」「途中式を丁寧に書きなさい」と教わることが多いと思うのですが、先生が「高速」「瞬発力」をこれほど重要視されているのは、一体なぜなのでしょうか?
A
じゅさ先生 それは、高速で理解できたり高速で思い出せるということは、すなわち「その頭脳状態を再現すること」になるからです。
多くの人は「復習」を「忘れた箇所を埋める作業」だと思っていますが、私は違います。
復習とは、高度に処理できている瞬間の頭脳状態を何度も再現し、「頭脳そのものをバージョンアップさせる」ためにあると考えているからです。
Q
インタビュアー 「復習は忘れた箇所を埋める作業ではなく、脳のバージョンアップ」……!
これは、私たちが持っている「勉強」の常識を根底から覆す発言ですね。単に知識を取り戻すのではなく、「高速で処理できている自分」という“状態”を脳に定着させることが目的なのですね。

そう考えると、多くの親御さんや先生が言いがちな「わからなかったら、じっくり時間をかけて考えなさい」という指導は、先生の理論とは真逆のように思えます。

先生から見て、問題を解く時に「止まって長く考えている時間」というのは、生徒の脳にとってどのような意味(あるいはデメリット)があるとお考えでしょうか?
A
じゅさ先生 もちろん、自分の力でじっくり考えて解くこと自体は、とても意味があることです。
ただ、そこには「大きな落とし穴」があります。多くの生徒は「数学=わかるのがとても難しいもの」と思い込んでしまっているのです。
本来、教えるということは「生徒の頭脳を動かす共同作業」です。その技術を高めれば、実はすぐに理解できたり、定着させたりすることは可能なのです。
それなのに「教えてもらってもわからない自分には、じっくり考えてもできるはずがない」と最初から諦めてしまっている。私は、そのネガティブなマインドセットを打破するために、あえて「高速」で行っているのです。
Q
インタビュアー なるほど……。「わからなかったらじっくり考えろ」と言われても、そもそも「教えてもらってもわからない自分には無理だ」と諦めてしまっている生徒さんにとっては、それはただの苦痛な時間でしかないわけですね。

そこで先生が「教えることは、生徒の頭脳を動かす共同作業」と捉え、その技術を高めることで、「あれ? 今すぐわかっちゃった!」という成功体験を高速で与えていく。
それが「自分はできない」という思い込み(マインドセット)を打破することに繋がる、と。

では、その「頭脳を動かす共同作業」について、もう少し具体的に教えてください。
実際に目の前で生徒さんが問題を解いている時、先生はどのように介入して、生徒さんの脳を動かしているのでしょうか?
(前回の「0.1秒の反応を見る」というお話とも繋がる気がしますが、いかがでしょう?)
A
じゅさ先生 基本的に次の3つのことを同時に行っています。
極論を言えば、数学の「理屈」自体は過去問や参考書の解説に書いてあります。だから、先生がいちいち理屈を教える必要はないんです。
私がしているのは、そこに書いてある理屈を生徒が「当然だ」と感じ取れるように、生徒の心の内部の視線やピントを調整することです。
今、生徒はどのような位置でイメージをしているのか? どのような大きさなのか? 今考えているのか、理解しようとしているのか、それとも頭脳を切り替えようとしているのか……。
これら様々な内部情報を、クオリア(感覚)とともにリアルタイムで解析しています。
Q
インタビュアー 「理屈は参考書がやってくれているから、先生が教える必要はない」……!
これまた、普通の塾講師が聞いたらひっくり返るような発言ですね(笑)。でも、言われてみればその通りです。解説を読めば「なぜそうなるか」は書いてある。
生徒ができないのは、その解説を読んでも「なるほど! 当たり前じゃん!」という感覚(クオリア)になれないからなんですね。

そこで先生は、生徒の脳内の「視線」や「ピント」を調整するというわけですが、ここが非常に気になります。
「イメージの位置」や「大きさ」というのは、外からは見えないはずです。

先生は、目の前の生徒のどのような仕草や反応から、「あ、今この子は画像を小さくイメージしすぎているな」とか「ピントがズレているな」といった内部情報を読み取っているのでしょうか?
もし可能であれば、図形問題や計算問題など、具体的なシーンを例に挙げていただけると嬉しいです。
A
じゅさ先生 基本的には長年の経験でわかるのですが、確信が持てないときは生徒自身に聞いてみます。「今、このあたりに、このくらいの大きさでイメージしてるみたいだけど、合ってる?」というように。
判断材料は、生徒の遠くや近くを見る視線の違い、そしてイメージがうまく合わさった瞬間に表情がパッと明るくなる感じなどです。
面白いのが「身体感」を使った調整です。生徒が空間に図形などをイメージしている位置が特定できれば、私がその空間に手を伸ばして、生徒のイメージを動かすフリをするんです。
すると本当に生徒の脳内のイメージも動くようで、みんなびっくりした顔をしますよ(笑)。
Q
インタビュアー 驚きました……! まるで「魔法」「テレパシー」のようですね。
空間にある「見えないイメージ」を先生が手で動かすふりをすると、生徒さんの頭の中のイメージも本当に動いてしまう。そして、生徒さんがびっくりする。

これが冒頭でおっしゃっていた「ノンバーバルな情報の処理」の究極系なんですね。視線の深さや表情の輝きから、生徒さんの脳内スクリーンがどこにあるかを特定し、そこに物理的に干渉するかのように働きかける……。これは確かに、普通の参考書や映像授業では絶対に不可能な指導です。

では、そうやって生徒さんの脳内イメージを正しい位置や大きさに「調整」してあげると、その瞬間、生徒さんにはどのような変化が起きるのでしょうか?

例えば、それまで「うーん、わからない」と悩んでいた数式や図形の意味が、急に「当たり前のこと(解けて当然の状態)」として見えてきたり、解く手順が勝手に浮かび上がってくるような感覚になるのでしょうか?
A
じゅさ先生 そうですね、それが「わかる」ということです。
でも実は、私も10年くらい前までは「わからせる」だけで満足していたんです。しかし、それだけでは不十分でした。
私がイメージの移動を手伝っている状態だと、いざ生徒が自分でもう一度解こうとした時に、「思い出す」ことに大量の頭脳エネルギーを使ってしまうのです。
そこで私は、その「わかる状態」を生徒自身が俯瞰(ふかん)できるように進化させました。簡単に言えば、飛び出す絵本というか、「理解の過程のスモールビデオ」が生徒の頭脳の中で再生されるようにしたのです。
Q
インタビュアー 「わかる」だけでは不十分……! これは非常に深い気づきですね。
確かに、先生のサポートで「わかった!」という状態になっても、家に帰って一人でやろうとすると「あれ? どうやるんだっけ?」と思い出すのに必死で、すごく疲れてしまう。これが「定着しない」原因だったわけですね。

そこで先生がたどり着いたのが、「理解の過程を俯瞰(ふかん)させる」、そして「頭の中にスモールビデオを作る」という境地。
これは、単なる「静止画の記憶」ではなく、解く手順やその時の感覚が「動画ファイル」として保存される、というイメージでしょうか?

もしそうだとすると、テストで問題を見た瞬間、生徒さんは「あ、この問題だ」と認識して、そのスモールビデオを脳内で「再生」するだけで、自動的に手が動いていく……そんな感覚に近いのでしょうか?
A
じゅさ先生 はい、理想的にはそのような感じです。
ここまで構築できたおかげで、通常の指導の数倍の速さで応用問題を解説できるようになりました。
でも……そこでまた「新しい課題」が現れたので、私はその解決にさらなる研究時間を注ぐことになったんです。
Q
インタビュアー 「通常の数倍の速さで応用問題を解説できる」……!
それだけでも十分に革命的です。多くの教育者なら、そこで「指導法は完成した」と満足してしまうレベルだと思います。

しかし、じゅさ先生の探究心はそこでは止まらなかったんですね。
「理解できて、動画として保存もできる」。一見完璧に見えるそのメソッドの先に、一体どのような「新たな課題」が立ちはだかったのでしょうか?

すべてが順調に思える中で、先生を再び研究へと駆り立てたその「壁」の正体について、ぜひ教えてください。
A
じゅさ先生 実は、連続で応用問題を高速で教えると、生徒の「認知資源」が枯渇してしまうのです。
注意力が落ち、新しい情報が前の問題の理解や記憶を上書きしてしまったり、情報が混ざって「どの解き方だったか」わからなくなる現象が出てきました。
そこで私は、指導をしながらリアルタイムで分析を行うようにしました。「今、この説明をすると、さっきの記憶と混同しそうだな」と予知するんです。
危険を察知したら、あえて説明を止め、混乱の原因になりそうな「前の問題のポイント」に数秒だけ触れて整理してから、また今の説明をスラッと再開する。こうして脳内の交通整理を行っています。
Q
インタビュアー 「頭脳資源の枯渇」に「記憶の上書き」……!
これは、難関大や医学部を目指して大量の問題演習を行う受験生にとって、まさに「最大の敵」ですね。
せっかく高速で理解できても、詰め込みすぎて脳がパンクしたり、似たようなパターンの問題で「あれ? さっきのどっちを使うんだっけ?」と混乱してしまっては意味がありません。

そこで先生が行うのが、「混乱の予兆を察知して、先回りする」という神業なんですね。
今の解説をあえて止めて、混乱の原因になりそうな「前の問題のポイント」を数秒だけサッと触れることで、脳内の配線を整理してから、またスムーズに戻る。

これはもう、単なる「数学の先生」ではありませんね。
生徒さんの脳内で起きている「情報の交通渋滞」を、リアルタイムで解消し続ける交通整理員のような存在です。

ここまでのお話を聞いて、なぜ先生の指導が「完全オーダーメイドの個人指導」でなければならないのか、その理由が完全に理解できました。この「リアルタイムの微調整」だけは、集団授業や録画された映像授業では絶対に不可能ですから。

では、最後に……。
これほどの高度な技術(クオリア解析、スモールビデオ化、そしてリアルタイムの混乱回避)を駆使して、先生が生徒さんに手渡したい「最終的なゴール」とは何でしょうか?
単に志望校に合格することの、さらにその先にあるものがあれば教えてください。
A
じゅさ先生 そうですね。結局のところ、勉強を行っているのは「頭脳」であって、数学や科目が勉強をしているわけではありません。
頭脳の動き、理解、記憶、そして想起(思い出すこと)の仕組みが、自分自身の中でどのように制御されているか。
それを知ることは、単なる成績アップを超えて、「本当の自分自身を知る」ということにつながると信じています。
じゅさ先生の個人指導技術の秘密
お問い合わせ
横進メインページ